「国旗狂想曲」 国旗が大好きな2歳児
「イギリス! フランス! ブラジル!」
長男ナルは国旗大好き少年であった。
ナルが通っているリトミック教室の中で『国旗カード』遊びがあり、そこで興味を持ったようである。
国旗の書いてあるカードを使ったフラッシュカードなのだが、そのコーナーの時には会場で走り回っていても、他の遊具で遊んでいたとしても、トレーナーの先生の所に走って行くらしい。
テレビを見ていても知っている国旗の映像が出てくると、嬉しそうにそれがどこの国旗なのかを教えてくれる。
そこで、100円ショップに売っていた『国旗カルタ』なるものを購入。
いつでも、国旗遊びができるようにしてみた。
最初は50種類のカードから知っている国旗を探して遊んでいたのだが、すぐに
「これなに?これなに?これなに?」
と、知らない国旗のことを知りたがった。
何でも知りたいお年頃なので一つ一つ教えていく。
気付くとナルは50種類すべての国旗を覚えてしまっていた。
「これなに?」攻撃に耐えかねて、YouTubeなどで国旗カード動画を見せてしのぐ。
(問題(国旗)と答え(国名)が音声になっているものが望ましい)
その時お世話になったのがこの動画なのだが、
ナルは知ってしまう。
国旗が50種類ではないことを。
そして、なんだかんだあって、動画と同じ学研の国旗カードをAmazonで購入することになった。
そして寝る前には、iPhoneアプリの『はんぷく国旗』に挑戦する。
これは、ランダムに国旗のクイズが出題されるので、おすすめだ。
こうして、ナルの中の国旗ブームは最高潮に達し、2歳半にしてほぼすべての国旗を覚えてしまっていた。
だが、ここで思わぬ事態が発生する。
次男のトモが『何でも口にいれてしまう期』に突入してしまったのだ。
おもちゃから絵本、おむつの箱の段ボールまで目を離すとなんでも口に入れて、生えかけの歯で噛み千切ってしまう。
紙は食べてしまうのでちょっとまずかった。
何度目か、紙の切れ端がウンチから発見されるに至り、我が家のキッズスペースからは国旗カードを含めて全ての紙類が封印されたのだった。
こうして、国旗ブームは終焉をむかえるのである。
そして現在、ナルはもう国旗のことはあまり覚えていない。
あんなに好きだったアンティグア・バーブーダの国旗にも、あまり興味を示さなくなった。
あの子はわずか3ヶ月で
異様のほど急速に力をつけてきた
いろんなものを身につけてきた
治療やリハビリにもし時間がかかるなら
プレイから長い間離れてしまったら
それが失われていくのもまた早い
この3ヶ月がまるで夢だったかのように……
スラムダンクかよ。
まあ、特に大きな問題はないんですけどね。
これは、幼児教育でもなければ、能力開発でもない。
ただ、純粋に国旗が好きで、何でも知りたがったナルの国旗にまつわるエピソードである。
もう少し大きくなったら、自分の憶えていた『こっき』の数だけ、国があって、そこにいろんな人が住んでいるってことを知るのかな。
その時にでも、またナルの世界が楽しくなることを願う。