「すまほ かーしーてー」 スマホで遊ぶ3歳児を考える
最近、ナルはよくスマホで遊んでいる。
先日泊まりで1日家を空けて帰ってきた私を見ての第一声が、
「おとうしゃん おおきいすまほ かーしーてー」
だったのには、ちょっと苦笑いした。
スマホで遊ぶ3歳児
ナルはスマホでは『鬼からでんわ』『ヒーローから電話』等のアプリや、GoogleさんやSiriさんに画像を出してもらったり、YouTubeで動画を見たりして遊んでいる。
小さな指で器用にフリックしたり、頑張って音声認識で画像を検索している。
どれも、教えたわけではなくて、私が使っているのを見て覚えたようである。
ポチポチと画面をタッチするだけで、次々と場面が変わるのはやはり楽しいようだ。
ナルがスマホで遊んでくれると、親としては非常に楽である。
一人で集中して静かに遊んでくれるからね。
泣き止ませたり、寝ているのを起こしたり、御褒美に使ったりと、便利に利用している。
だが、メリットもあれば当然デメリットもあるということで、最大の心配事はやはり中毒性や依存性が高すぎるということである。
無くて良かった
私は大学に入って初めてインターネットに触れた時に、これが高校生の時に無くて良かったと心から思った。
社会人になって初めてMMORPGに触れた時にも、これが大学生の時に無くて良かったとも思った。
私は何かと熱中しやすい質なので、どちらも寝食を忘れて熱中して、現実世界に多少なりとも支障が出たものである。
ただ、どちらも出会った時期がまだ良かったので、理性のストッパーもどうにか働いて身の破滅を迎えるようなことにはなっていないが、やはりやるべきことは多少なりとも疎かになった。
子供たちはどうだろうか。
未成熟の頭脳と精神で中毒性の高いおもちゃに囲まれて、無限に広がる世界に繋がって、どんなふうに育っていくのだろう。
誘惑に打ち勝って、やるべきことをやることができるのだろうか。
スマホが生まれた時からある世代
昔と今とでは、スタートラインからして違う。
スマホが子供に与える影響について、私には自分の経験から語ることはできない。
何しろこんなものは私が子供の頃には無かった。
私は新しく刺激的なものに出会う度に心奪われ熱狂したが、それが当たり前のように日常にある世代であれば、もっと上手に付き合えるのかもしれない。
そう言えば、私だって小学生のころにはファミコンに熱中したけれど、まあやるべきことはやったり、やらされたりしたわけだからあまり心配はいらないのかなぁ。
私が今抱いている心配や懸念を、あの頃私の父や母が抱いていたのだろうか。
テレビ、ファミコン、インターネット、スマホと、自分が経験していないテクノロジーが子供に与える影響を心配するというのは、いつの時代の親にも共通なのかもしれない。
ただ、テレビやファミコン、インターネットに繋がったPCらがリビングに設置されるタイプの家族共有のものであったのに対して、スマホは一人一台のパーソナルなものであるところは気になる点である。
あれ、この画像 めっちゃ私やん
現在、試行錯誤中
これからの時代、スマホは子供にとっても必需品になるのだろう。
そういう意味では、早いうちから触れさせるに越したことはないのかもしれない。
取りあえず、我が家にあるスマホとタブレットは基本的には私が家にいる時間しか、触れないようにはしている。
御褒美的に「使っても良いよ」という感じで使わせているのだが、これが正解なのかは正直分からない。
「子どもは育てたいようには育たない。育てたようにしか育たない」
子供は大人の姿を見て育つ。
休憩所でも、食堂でも、電車の中でも、大人たちは皆スマホに夢中だ。
そんな世界だ。
まあ、親が子供そっちのけでスマホに熱中していたら、そんなに面白いのか!って子供も思うわな。
子供にスマホを辞めさせたいのであれば、少なくとも子供が見ている前では親もスマホをいじるのを止めるべきなのかもしれない。
もしくは、スマホを上回る楽しみを子供に提供してやるかだ。
使う人間を育てる
スマホ所有年齢は年々低下してきているというから、下手したらナルトモが小学生のころには子供達は皆スマホを持っている世界になっているかもしれない。
将来的にはネットワークを通じて、外部の人間とコミュニケーションを取るようになる。
その時にはまた違う問題というか心配事が出てくる。
上手に使えば間違いなく便利な道具で、下手に使えば身を滅ぼす。
時代の流れに逆行するのは多分間違っている。
危険だからと言って遠ざけるのは、学習の機会を遅らせるだけになるのだろう。
であれば、親としてはもう正しい使い方をしっかり教えてやるしかない。
情報と知識とを正しく使うための智恵を育ててやるしかない。
やるべきことをやる力や、我慢する力を鍛えてやるしかない。
道具を使う側、人間としての力を強化してやるしかない。
そう思う。