「遠い日の自分のために」 負の連鎖を断ち切る
以前も書いたけれど、マコのお母さんには本当にお世話になっている。
マコの姉妹3人娘はそろって里帰り出産したのだけど、我が家もナルトモが生まれた後にそれぞれ約1か月お世話していただいて本当に助かった。
私が育児休暇を取らずに済んだのは、ひとえにマコのお母さんのおかげである。
このご時世なので、育児休暇は取れるものなら取りたかったんだけどね。
取る必要が無かったというのが正確なところだ。
マコのお母さんは「3姉妹を育てたときは、旦那も義理のお母さんもぜーんぜん手伝ってくれなかった」と言っていた。
だから、自分は頑張るのだと。
とは言え、娘3人孫5人だよ?
娘のごはんを作ったり、大量の洗濯をしたり、育児に不慣れな娘たちを慰め、励まし、手助けをしたり。
それを5回。
いくら自分の娘だからと言って、なかなか出来ることではない。
2016年8月 マコのお母さんの夏
2016年の夏、マコの実家は育児合宿所みたいな様相であった。
8月の終わりにマキちゃんの娘のリノちゃんが誕生して、その3週間後にトモが誕生。
2組4人の新人母子が里帰り。
更にそこにイヤイヤ期のナルと、酔っ払いのマコのお父さんが加わるカオスっぷり。
出産直後の傷ついた娘の食事のお世話に洗濯に孫の面倒を見る。
慣れない育児に疲弊するマキちゃんを労わり、時にはリノちゃんやトモを寝かしつけてやったり、ナルと遊び、時々もう一人の娘のマヤちゃんの家にもお世話をしに行く。
これはもう凄い。
何がそこまでマコのお母さんを動かすのか。
なぜ、そこまで頑張れるのか。
実は、その理由が私には何となく分かる。
乳幼児2名と幼児1名 無事就寝
2016年8月 私とナル
トモが生まれてマコが入院している間、実家に帰るまでの5日間を私はナルと2人で過ごした。
弊社でも実施が生まれた後5日間は、公認休として休みが頂ける。
同僚たちに話を聞くと、第2子出産の際は殆どの人が第1子はどちらかの実家に預かってもらうルートが一般的なようであった。
だが、私はナルと過ごすことを選んだ。
当時、イヤイヤ期の最盛期のナルと2人きりの生活。
まあ凄まじく大変でこの時の写真を見直すと、凄くやつれていて笑える。
マコの実家なり私の実家なりに預かってもらうこともできたのだけど、私はどうしてもナルの面倒を自分で見たかった。
それは、私が誰よりもナルのことを分かっている自負があったからだ。
だから、ワンオペで家事育児をこなしてボロボロになりながらも面倒を見て、寸暇を惜しんで2人で真夏の公園に遊びに出かけた。
ワンオペ育児中。眼の下のクマをお見せできないのが残念です。
遠い日の自分のために
マコのお母さんが頑張れる理由。
それは、多分、娘を助け、孫を育てながら、かつて孤独に頑張って3人の娘を育てた自分を救ってるんだと思う。
それは私も同じなのだ。
疲れた体に鞭打ち、ナルトモと全力で遊び抱きしめて、かつて本当は父親に甘えたかった自分を救っているんだと思う。
日々、ナルトモのため、マコのため、自分のため、そして遠い日の自分のために育児を頑張っているんだと思う。
多分、私は救われたのだろう。
だから、ナルと2人で過ごしたあの夏の日々のことは、素晴らしい夏の思い出として残っている。
くだらない伝統であったり、他人にされた酷い仕打ち。
私も苦労したのだから、お前も苦労しろ。
私も苦しんだのだから、お前も苦しめ。
そういう負の連鎖を同じように次に繋いでいく人は、多分きっと永遠に救われないのだ。
負の連鎖を断ち切れ。
多分、それが遠い日の自分を救う唯一の道だから。