「親の掌の上」 スマホ育児を考える(その2)
相変わらず、ナルはスマホに夢中である。
最近はトモまでが、私がスマホをいじっていると「わんわん わんわん」と言って、Siriさんに「わんわんの画像」を検索させることを求めて来たりする。
何というか、もう次世代の子供達である。
年始休みの後半は、家族全員体調を崩したこともあって、家の中で過ごすことが多かった。
タイミングの悪いことに、テレビに接続しているハードディスクがお亡くなりになってしまい、撮り貯めしておいた教育番組のストックも消滅してしまった。
そのため、スマホには大いに活躍していただいた。
そんな日々の中、誰もいないと思っていた子供部屋からナルの声が聞こえてきた。
「みなさん こんにちは なるちゃんちゃんねるです。きょうはこのおもちゃであそんでみます」
「!!」
ナルがYouTuberごっこをしている!!
吹き出しそうになるのを必死にこらえ、そっとその様子を伺う。
ナルはYouTuberの真似をして、我が家のおもちゃの紹介をしていた。
ほっこりした気持ちでその様子を伺っていると、私が覗いているのがバレてナルはばつの悪そうな顔をする。
「ナル、もう一回やってよ」
「いやよ! おとうしゃん、あっちいって!!」
恥ずかしそうに、私を追い出そうとする。
この歳でも羞恥心的なものがあるのだなと感心しながら、
「良いじゃないか。上手だったぞ。お父さんと一緒にやろう」
そう言って、私はナルを誘う。
最初は秘密を見られてしまったことが恥ずかしかったのか、イヤイヤ言っていた。
けれど、すぐに機嫌はなおって、その後はトモも一緒になってYouTuberごっこを楽しんだのであった。
マコに動画も撮影してもらいました
ナルは大きいスマホ(タブレット)を巧みに使いこなし、自分でYouTubeのアプリを起動させて動画を見るし、音声検索で好きな画像も探してくる。
先日は、仮面ライダービルドの変身フォームをシミュレーションできるFlashを見せてやったところ、試行錯誤して色々なベストマッチを楽しんだりもしている。
教えていないことも含めて、どんどん成長している。
個人的には、情報や知識って言うのはその上にある知恵を育てるための過程に過ぎないので、手段はあまり関係ないとも思っている。
そして、その効果は子供が興味を持っているものほど高いので、ナルがスマホ大好きなのであれば、大いにそれを利用して知恵を育ててやろうと思っているところである。
本人に興味が無ければ、絵本読み聞かせだって知育玩具だって何の意味も無いのだ。
さて、放っておくとスマホばかりしているナルだが、先週末は天気が良かったので公園に誘うと喜んでついて来た。
ナルとトモと私の3人で、芝生を走り回り、遊具で遊び、木の実でままごとしたりして遊んだ。
家に帰ってからも、ボールを家にぶつけて遊んだり、ナルトモランドで砂遊びしたりして一日元気に外で遊んだ。
元気に走り回る姿を見ながら、最近サボっていたなぁと反省したりもした。
寒かったからね!
トモにアルファベットを教えるナル
子供がスマホばかり見ているのは、スマホが楽しいからだ。
スマホばかり見ていることを嘆くよりも、親がスマホよりも楽しい世界を子供に提供できるかどうかを考えなければならない。
結局はそういうことなのだろう。
特にナルにはそういう正の条件の提案の方が効果がある。
「ご飯を食べないときに、食べなさい!食べなかったら~」と、負の条件を提示して叱るよりも、「食べ終わったら~して遊ぼう!」という正の条件を提示したほうが効果が高い。
何だかんだ言って、子供の世界は狭い。
それを広げてやるもの親の役目である。
私はナルトモに楽しい世界を提供してやろうと考えている。
この世界の楽しみ方を教えてやろうと日々考えている。
もちろん、そこには親のエゴがこっそりと隠されてはいる。
だけど、同時に親が与えてくれる娯楽に満足せず、楽しいものを自分で探しに飛び出していく子に育ててやろうとも考えている。
いつまでも親の掌の上にいることを良しとしない、そんな子供に。
まあ、飛び出していくこと含めて親の掌の上なんだけどね(ニヤリ)。