「勝手に子供にお菓子をあげたらダメ。ゼッタイ。」 ヘルヘイムの森とお年寄り
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ヘルヘイムの森とお年寄り
日課となっていた風呂上りにAmazonプライムビデオで子供たちと視聴する仮面ライダー鎧武がクライマックスを迎えていた頃、TwitterのTLで「よその子に勝手におやつを与えてしまうお年寄り」の話題が活発に流れていた。
仮面ライダー鎧武の世界を襲っている脅威は、ヘルヘイムという異世界の植物の浸食である。
植物が種を飛ばし、繁殖範囲を増やす。
そこに理由など無く、植物として当然の行為である。
だが、それが我々の世界の害となる。
これは、自然災害であり、理由のない悪意である。
それに立ち向かうというのが、仮面ライダー鎧武のストーリーである。
「よその子に勝手におやつを与えてしまうお年寄り」というのも、定期的に話題になるトピックである。
勝手におやつを与えるのは子供たちの祖父母の世代であり、現役世代は世代間のギャップに頭を抱えるという構図だ。
この問題については、このご時世、おやつを与えすぎて虫歯になったり、ご飯を食べなくなるという問題よりも、アレルギーの問題がヤバイ。
お年寄りが子供たちにお菓子を与える。
子供たちに喜んで貰いたいという一心である。
それは善意なのだが、それが我々の世界の害となる。
時には毒となり、アレルギーの発作の原因になったり、悪意ともなるのだ。
ふと、子供たちに危険性を考えずにおかしを与えるお年寄りの姿と、仮面ライダー鎧武の世界を浸食するヘルヘイムの森の姿が重なるのであった。
子供向け娯楽作品に隠された製作者からのメッセージを深読みしすぎて、妻に「モルダー あなた疲れてるのよ」的対応をされるのがマイブーム。
— シコウサクゴ(ナルトモの父) (@Beld716851) 2018年2月8日
常識は勝手にアップデートされない(サポート終了済)
私は30年前に子供だった頃、友人のアレルギーを気にしたことは記憶にない。
だが、現代では近所に住む小学校1年生のユアちゃんでも
「ナルくんに このお菓子あげても良い?」
と聞いてくれる。
当たり前としていること、常識が違うのだ。
育児の常識は年々変わっていく。
アレルギー人口は年々増加しており、お年寄りが子育てをしていた半世紀前とは大きく異なっている。
基本的に常識というのは、普通に生きていたのではアップデートされない。
自ら学んで知識で常識を上書きしていくしか、アップデートする方法は無いのだ。
お年寄りに「新しい常識」を授けることはできるのか。
全てのお年寄りに新しい常識を授けるためには、仮面ライダー鎧武の世界のオーバーロード(※ヘルヘイムの森の植物をコントロールできる)のような存在が必要になる。
だが、現実にはそんなものは存在しない。
そういうわけなので、現実的な対応策としては「お年寄りに気をつける」しかないのである。
ナルトモにアレルギーが無いのはただただ幸運だと思う
移り変わる常識
他人の子にそっとお菓子をあげるお婆さんは異常者で、親たちの敵なのか。
決して敵ではないはずなのだ。
差し出されるお菓子も善意だ。
だが、善意に包まれた悪意となることがある。
本来、人間は群れで育児をする系の生き物なのだろうなと思う。
都市化によって、 育児知識の連続性が失われた結果、若い世代への育児知識の継承も古い世代の育児知識のアップデートも失われてしまった。
最新の育児常識を知らない年配の人々は育児の戦力外とみなされ、若い世代は古い常識と対立し、結果的に母親は孤立して行くという、悪循環を生んでいる気もする。
不毛だ。
不毛な対立だ。
お年寄りも、若輩者に「常識」を指摘されるのは嫌がるだろう。
「間違っている」ことを指摘されるのは誰しも嫌なものである。
そういう時には搦め手である。
取り敢えず国は「勝手に子供にお菓子をあげたらダメ。ゼッタイ。」キャンペーンを、氷川きよしあたりの年配の方に人気のタレントを使って一度やればいいのになと思う。
「話し合ったら良いやつかもそれないだろ!」と主人公が主張するが、話し合った結果全員クソだった仮面ライダー鎧武の展開に考えさせられるぜ。
— シコウサクゴ(ナルトモの父) (@Beld716851) 2018年3月9日